不妊治療の基礎

一般的に不妊治療で用いられるのが「排卵誘発剤」です。
卵巣を刺激し、卵子の排出を誘発するための薬のことです。

 

排卵誘発剤には、大きく分けると服用薬と、注射があります。
この種類によっても、妊娠の可能性に違いがあります。
妊娠を希望しているのですから、可能性の高い方を選びたいですよね。しかし、副作用もあるので、メリットとデメリットをよく理解しておきましょう。

 

○服用薬(クロミフェン製剤系)
排卵誘発剤の服用タイプはクロミフェン製剤系が代表的です。
妊娠に必要なことは卵胞の活性化。そのために欠かせない黄体形成ホルモンの分泌を促す指令室のような、脳の部分に働きかける薬です。
簡単に言うと、ホルモンにアプローチして排卵を誘発する仕組みです。
クロミフェン製剤系の排卵率は70〜80%、妊娠確率は20%です。全体の2割ほどと、それほど高くありませんが、副作用は比較的少ないというメリットがあります。

 

○注射(hMG製剤)
注射タイプはhMG(下垂体性ゴナドトロビン)製剤が一般的です。
これは直接的に卵巣にアプローチする仕組みで、現在使用されている排卵誘発剤の中でも最も効果的と言われています。
先ほどの服用薬では効果が期待できない方に用いられるのが一般的です。
排卵率は70%と服用薬とほとんど変わりませんが、妊娠率は2倍の40%となっています。
ただし、副作用に一つ注意があります。

 

クロミフェン製剤系の場合は子宮内膜の増殖に影響するため、子宮内膜が薄くなることがあります。妊娠に成功しても、流産する可能性もあるということです。
また、こちらの薬は双子を妊娠する可能性も高くなります。と言っても、4%ほどです。

 

対して、hMG製剤は卵巣が腫れて水がお腹に溜まったり、胸にまで水が蓄積してしまうことがあります。血管内の水分量が減るため、血栓症や腎不全などを発症するリスクがあります。また、軽いものでも呼吸困難を起こすことがあります。
治療中にお腹が張ったり、下腹部に痛みがあるようなときは注意しましょう。
クロミフェン製剤系と同じく、双子が生まれる可能性は高くなります。20%ほどと言われており、さらに三つ子は4%・四つ子は1.8%というように、一般と比べると多胎の可能性が上がります。

 

どちらにしても排卵誘発剤が不妊治療として用いられるようになったのが、約40年ほど前のことです。
1970年代頃から、一般的になりました。
しかし、多胎の可能性が高くなる副作用により、アメリカでも日本でも多胎が大幅に増加しています。

 

多胎において倫理的な問題はないとしても、流産のリスクが上がるため問題視されています。
そのことから、薬の量を減らすなどの対策が施されるようになりました。

 

服用薬のクロミフェン製剤系は双子以上の多胎を身ごもる可能性もそれほど高くありません。
しかし、hMG製剤は格段と確率が高くなるため、注意は必要です。

 

また排卵誘発剤に抵抗がある方は葉酸のサプリメントはいかがでしょうか?
天然成分ですのでカラダにも安全です。